SORANORINGO

詩と日々。

2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ポケットに入れておいた種をまく 男は体をかがめて ていねいに小さな種をまく 木はぐんぐんと育ち あっという間に未来の先へと伸びていった 男は木を少しだけ切り取って 静かな手の平で 見えない楽器を彫っていく 彫刻家のように 見えない楽器を彫っていく …

音を追いかける

まずギターを手にとる 目を閉じてみる 「聴こえた?」 ううん まだだよ でもなにかが・・・ なにかがちらっと見えた気がしたよ 「どんなもの?」 緑色のガラスを透かしたような光だったよ 「ああ、きっとそれだよ」 うん もう見えないけれど こんな感じだっ…

空の砂

玄関から出ると 靴底をきしきしと鳴らせるもの 空の砂だ 手で拾い集めて瓶に入れる グレーがかった薄い水色 空の砂だからって 特別キレイなものでもない 玄関前には空の砂の瓶がずらりと並ぶ 毎日、砂だらけの手の平を見つめながら考える どうして僕の人生だ…

眠れない夜

眠れない夜は 君の中に静かに響く 木星の音を聴くのです すべての色をつつんだ音が 深く波紋を揺らすのです 音は夜をつやめかせ 闇を銀河の毛布に変えました ふたりで一緒にくるまって そっと眠りについたのです

桜はまだ満開ではない感じ。 その分、春を長く楽しめるかなぁ。 ☆メモ 魔法の力で作る現実的な薬箱。

今夜も小さな星から 木星を見上げる さみしさを すててしまわないように

教会

痛みを光に変えながらひとつひとつ積み上げる エルダーフラワーの丘で透ける優しい歌を聴きながら いつか魂を金色に包むガラスの教会が出来上がる

こんぺいとう

こんぺいとうを 雲の上に投げて 落ちてくるのを待っている こんぺいとう ガラスのおもさで雲の上 小さく息をはいている きっと落ちてはこないだろう そんなことは知ってるよ こんぺいとう もう一度だけ投げて ガラスのおもさで 落ちてくるのを待ってみる