SORANORINGO

詩と日々。

2024-03-10から1日間の記事一覧

あの頃の私に

望遠鏡を覗いたら 小さな頃の私が見えた 夕暮れの大きな力に 途方に暮れたような顔をしながら UFOカステラを食べていた 大丈夫だよと 言ってやりたいような やれないような あの頃の私の 声にならない問いの答えを 私はいつか笑って答えてやれるのかな 小さ…

透明なファンファーレ

透明なファンファーレを 空に綴じて 音がしずくに変わるのを待った 待つことに ちっとも慣れないんだよ おやすみ おやすみ

新しい歌が帰っていく場所

誰も気づかなかった音 しずかに帰っていった ねむりのうらの草原へ 誰も気づかなかったけど 悲しんではいないみたい 音に金の粉をすべらせて そっと風にたくしたよ 誰も気づかなかった音 音が鳴りはじめる前の音 ガラスのにおいをさせながら 君のとこにも届…

空の音色

小さな子供だった頃 空にはいつも ラッパの音色が響いていた そのきらめく音色には すべての美しさが込められていて いろんなものを祝福しているようだった 今ではもう その音色は聞こえない 大人になったからなのか それとも 聞こえないふりをしているのか …