SORANORINGO

詩と日々。

空の音色

小さな子供だった頃

空にはいつも

ラッパの音色が響いていた

そのきらめく音色には

すべての美しさが込められていて

いろんなものを祝福しているようだった

 


今ではもう

その音色は聞こえない

大人になったからなのか

それとも

聞こえないふりをしているのか

 


でもふと

あの音色に出会うことがある

それはまだその音色を聞き続けるために

深い内省を自らに課す

芸術家による音楽の中に

 


その音楽に耳を澄ましていると

心の中がかすかにざわめく

自分の奥深くから声がする

まだ間に合うのだろうかと

取り戻せるのだろうかと

 


もしかしたらあの音色は

大人になったからこそ

自分の手でつかんでいかなくては

いけないものではないだろうか

それぞれが

自分だけのやり方で

 


その決心をした人に

あの空の音色は

永遠に響き渡っていくのだろう

まるでその人を祝福するかのように

 


空を黄金にそめる

祝福の音色が

この世界にもっともっと鳴り響けばいい

小さな子供たちが

微笑むような空の音色を